e文書
電子文書 管理
ドキュメント保存用 ファイルフォーマット

文書保存フォーマットは大きく二つに分けて考える必要がある。

  1. 作成編集用
    文章を入力したりイラストを挿入したりして文書を作る。後日、内容を修正したり、追記したりする必要がある文書。
    Word / 一太郎 / OpenOfficeなどのアプリケーションで作成した(または作成しつつある)文書がこれにあたる。 また、単純にプレーンなテキスト形式で文字だけを業務日誌として日々追記している方もおられるだろう。

  2. 保管管理用
    法的に保存義務があって数年間保管管理が必要な文書。または企業の技術文書などで永久保存として残しておく文書。
    必要な場合いつでも閲覧できることが条件であり、基本的に編集はしない。「企業や学校の規則」を記載した文書は保管管理用文書であるが、これを編集する場合は権限をもった者が特定の条件で編集する。さらには、編集できてはならないという制約が必要な場合もある。

ここでは永久保存(永久という言葉は怪しげな表現だが)、または保管管理し必要な場合いつでも閲覧できる文書、つまり紙書類に変わる電子ファイルとしての代表的なフォーマットを紹介する。
保存閲覧用ファオーマットと言えばアドビのPDFが定番であるが、オートデスクやマイクロソフトが乗り出してきた。 使用するユーザーにとってはファイルフォーマットが増えるのは厄介な出来事であって、あまりメリットがなさそうだけれども、競争社会としてそれぞれの企業は 他社のフォーマットを素直に認めるわけにはいかない事情があるようだ。
とはいえ、それぞれ特徴があるので、作成している文書に合わせた保管管理ができるかもしれない。

PDF (Portable Document Format)
米国アドビシステムズ社によって開発された、電子文書のためのフォーマット。
文字情報・画像がレイアウトされた情報を保存できる。 コンピュータの機種や環境によらず表示することができ、原本のレイアウトを正確に再生することができる。
PDFの生成は純正品としてAdobe Acrobatがあるが、生成ソフトはアドビ社以外から提供されているものが多数ある。 生成方法は、プリンタドライバを追加して印刷するという方法、アプリケーション(ワープロや表計算ソフト)にPDF 生成機能が内臓されているものがある。

DWF (Design Web Format)
DWFはオートデスク社が開発した図面用ファイルフォーマット。
ベクトル形式であるため、A1やA0のような大きな図面であってもファイルサイズが小さく扱いやすい。 また、拡大縮小しても表示・印刷が劣化しないのが特徴。
図面用ではあるが、文字はもちろん画像も表現できるので文書の保存閲覧用のファイルとして利用できる。 オートデスク社は「文書の保存はPDFではくDWFにしよう」と宣伝しているようだ。 さらに、DWFxというファイルフォーマットもあって、これは、上述のXPSのビューアでも表示可能なフォーマット。
DWFxはMicrosoft XPS互換性をもたせるための保存時のファイルサイズが純粋なDWFと比べて大きくなるが互換性があるほうがよい場合はこちらを選ぶ。

XPS (XML Paper Specification)
XPSはマイクロソフト社が開発した電子文書のためのフォーマット。
XMLの文書構造を基本として、複数のファイルをzip圧縮している。 拡張子をzipに変えるとそのままzipファイルになるので圧縮をほどいてそれぞれの個別ファイルに分解させることができる。
Paper Specificationという名前は紙文書の電子化「電子ペーパー」としての存在を強調しており、Adobe社のPDFに対抗しようとしているフォームであることがうかがえる。

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