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正倉院の宝物

正倉院に保管されている弦楽器


新羅琴 金薄輪草形鳳形

新羅琴/金薄輪草形鳳形 しらぎのこと/きんぱくわのくさがたおおとりがた

しらぎのこと
きんぱくわのくさがたおおとりがた

伽耶琴とも呼ばれる朝鮮半島起源の楽器。
桐の本体に12本の弦が張られていて表面には草花や鳳凰の文様が描かれているのだが、残念ながらこのイラストでは表現できていない。弦を取り付けている緒止部分の形状が特徴的で羊耳と形容される。
さらに特徴的なのがストラップ。赤いヒモが取り付けられており、楽器本体を首や肩に掛けて演奏するというとてもユニークな楽器だったようだ。


螺鈿紫檀阮咸

螺鈿紫檀阮咸 らでんしたんげんかん

らでんしたんのげんかん

阮咸は、中国・竹林の七賢の故事に因んで名付けられた。円盤状の胴は直径39cm、厚みは薄く4cmほど。ヘッド、ネック、糸巻きは紫檀でできており、4本の弦が張られている。楽器全体には螺鈿、鼈甲などで装飾されている。


桑木阮咸

桑木阮咸 くわのきのげんかん

くわのきのげんかん

4弦の阮咸で、ヘッド、ネックはクワ材でできている。形状、サイズとも、螺鈿紫檀阮咸とほぼ同じ。 中央には革製の八花形の捍撥(撥面)、二つの満月形。これは装飾であり、サウンドホールはない。

桑木阮咸の捍撥

八花形の捍撥には、獣皮の敷物にすわり囲碁を楽しむ人物が描かれている。


螺鈿紫檀五絃琵琶

螺鈿紫檀五絃琵琶 らでんしたんごげんびわ

らでんしたんごげんびわ

日本で普及している琵琶は4弦であり糸巻き部分(ヘッド)が後ろに屈曲しているが、この螺鈿紫檀五絃琵琶は、名前の通り5本弦。糸巻き部分は後ろに屈曲せずまっすぐであり、この形状は他の琵琶にはない特徴。「5本弦」「まっすぐな糸巻き」・・・螺鈿紫檀五絃琵琶は、現存する世界でただ一つの琵琶と云われている。
楽器の全体には夜光貝の螺鈿や鼈甲などの装飾がほどこされており、鳴り物として実用的な道具でありながら、まさに宝物としての芸術装飾品の価値がある。

螺鈿紫檀五絃琵琶 らでんしたんごげんびわ

捍撥(撥面)には、ラクダに乗り琵琶を弾く楽人が描かれている。「5弦琵琶」に描かれているのが「4弦の琵琶」であるのがおもしろい。


螺鈿槽箜篌

螺鈿槽箜篌 らでんそうのくご

らでんそうのくご

箜篌という名前は、元は西アジア(ペルシャあたり)の言語に由来する言葉と言われており、この竪琴(たてごと)が東は中国、そして日本まで伝来した。日本へは朝鮮半島から伝わり百済琴(くだらごと)とも呼ばれる。


ここに載せた楽器は正倉院に保管されているもののほんの一部分。このサイトは弦楽器図鑑であるので弦楽器だけを選んで記載しているが、笙や尺八の吹奏楽器や方響や鼓などの打楽器もあり、全部で18種75点が宝物として保存されている。

はじく

こする

たたく