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弦楽器 図鑑

ラババ/ラバーブ rababa / rabab

全体の形状や弦の数はそれぞれ違うが、rababa や rabab など、似た名前の弦楽器は、中東アラブ圏を中心に存在する。
共通することといえば、共鳴ボディは皮張りであること、膝に乗せて演奏すること、弓は弦に指をそえて拳銃を持つ。 別にこれは特殊ではなく世界中の伝統的な弓奏楽器のほとんどに共通する楽器構造であり、演奏スタイルである。

西洋で発達したバイオリンなどの仲間は「表面が木材の薄板」「肩とアゴに挟んで演奏する」「弓は上から指を添えるように持つ」。 広く世界の楽器を見渡してみると、バイオリンの仲間は他の楽器と比べると特別であることが判る。 弓奏楽器としてはバイオリンが全世界で普及しているため特別ではないと思われるが、ボディに木材の板を表面に張り付けるのは比較的新しい構造だし、アゴに挟むなんてなんて行儀の悪い、 弓を上から指でつかむ方法なんて力が入らず演奏しにくいよう・・・と、世界中の民族弓奏楽器プレイヤーは思うのである。

ラババ rababa
中東・エジプトのラババ

アラブの遊牧民族(ベドウィン)が愛用する楽器。長方形のの木箱に皮張りで弦は1本だけ。
「こする」「はじく」にかかわらず木製の伝統的な弦楽器はズクの木材をまるごと削り出すことで作るので、こういう木板の箱というのは案外と珍しい。 そういえば、日本の三味線も木の板で枠組みを作っているので珍しい構造である。


ラババ rababa
エジプトのラババ

fiddle of the Nile (ナイルのバイオリン)ともよばれることがあるエジプトのラババ。 半分に切ったココナッツの殻に皮張りで弦は2本。


ラバーブ rabab
アルジェリアのラバーブ

アルジェリアのラバーブは丸ごとの木材を削り出してある。ネックと音響ボックスが一体化構造で境目が曖昧である。音響ボックス部分は皮張り。
北アフリカのアルジェリアは、中東とは随分離れた場所ではあり、楽器の形も違うがアラブ圏の楽器として、この名称が伝わってきたのだろう。

はじく

こする

たたく