タンプーラはインドの弦楽器。
シタールなどの伴奏の時、ひたすら開放弦で低い音を鳴らし続ける。
この開放弦の音は5度の音程であって、いわゆるドローンと呼ばれるもの。西洋音楽風の表現だと、ハ長調なら「ド」と「ソ」の音間隔にあたる。
インドの伝統音楽においては、完全五度のドローンは楽曲全体を安定させるためのに欠かせない音。タンプーラはそのための専用の楽器といっていいだろう。
ネックがあって形からするとリュート属に分類されるだろうが、フレットはないし、指板上で弦の長さを変えて音程を変化させるわけでもない。演奏方法はハープのようだ。リュート属の場合、弦をはじくのはブリッジに近いあたりを爪弾くわけだけど、タンプーラは弦長の中程あたりをはじく。弦が長く、ジャワリがついているので、心地良い雑音が入り混じった「ビビーン」という低い音がロングトーンで鳴り響く。
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