グスレは、ヨーロッパ南東(セルビアなど)の弓奏楽器。 胴体は太い木材(カエデなど)を削り出して、表面は皮張り。1本だけの弦は、ネックから離れた位置に張られていて指板に押し付けることなく音程を変える(そもそも指板が無いのだが)。 伝統的な演奏者(guslar)は、英雄や歴史の物語・抒情詩をグスレを伴奏に語る。
ヘッドには鳥や山羊が彫刻されていて、これらの意匠は地域によって異なるようだ。
皮張りの撥弦楽器(はじく)
皮張りの擦弦楽器(こする)
共鳴ボディに皮を張った弦楽器は世界中に存在する。中でも弦をこする擦弦楽器はほとんどが皮張りだ。というか、古来よりの伝統的な民族楽器はすべてボディに皮張りなのではなかろうか。 薄い木板が響板になっている楽器はヨーロッパで発達した比較的新しい構造である。木板の擦弦楽器はバイオリン属として全世界に普及しているため、皮張りが特別であるかのように勘違いをしそうだ。 ヨーロッパのバイオリンの仲間は、世界中の民族楽器全体を眺めてみると、とても特殊な作りであることが判る。
はじく
こする
たたく
弦楽器図鑑(擦弦楽器/弓奏楽器)IROMBOOK